さいきん、売掛金を金融会社に譲渡して早期に回収する手法(いわゆるファクタリング)がはやっています。しかし便利である一方、いくつか注意しておく点があります。
まず債権譲渡の債務者についてですが、民法468条には十分注意してください。異議をとどめないで譲渡を承認すると、無条件でその債務を支払わなければならなくなります。(これを無留保承諾といいます)
たとえばある商品を仕入れたとき、その商品にキズがあるのが発覚しても気づかずに異議をとどめず相手方の債権譲渡をOKしてしまうと、あとから「代金を払え!」といわれたら支払わなければならなくなります。
ようするに問題があるときは、譲渡される前にちゃんとクレームをつけましょうという趣旨です。いったん債権が譲渡されてしまうと、クレームもつけられなくなって支払わざるをえなくなります。
また債権譲渡の債権者のほうで注意したいのが「瑕疵担保責任」です。一般的には譲渡した債権が貸倒などになった場合、通常債権の譲渡人には責任がないはずです。
ところが金融機関で行う一括債権譲渡契約などでは、「瑕疵担保責任」といって債権が貸倒になったとき買戻す義務を契約に付しているケースが多いのです。法律的には債務保証と同じですね。
債権譲渡は、かならず契約をチェックしてから行うようにしましょう。
(債権の譲渡性)
第466条 債権は、譲り渡すことができる。ただし、その性質がこれを許さないときは、この限りでない。
2 前項の規定は、当事者が反対の意思を表示した場合には、適用しない。ただし、その意思表示は、善意の第三者に対抗することができない。
(指名債権の譲渡の対抗要件)
第467条 指名債権の譲渡は、譲渡人が債務者に通知をし、又は債務者が承諾をしなければ、債務者その他の第三者に対抗することができない。
2 前項の通知又は承諾は、確定日付のある証書によってしなければ、債務者以外の第三者に対抗することができない。
(指名債権の譲渡における債務者の抗弁)
第468条 債務者が異議をとどめないで前条の承諾をしたときは、譲渡人に対抗することができた事由があっても、これをもって譲受人に対抗することができない。この場合において、債務者がその債務を消滅させるために譲渡人に払い渡したものがあるときはこれを取り戻し、譲渡人に対して負担した債務があるときはこれを成立しないものとみなすことができる。
2 譲渡人が譲渡の通知をしたにとどまるときは、債務者は、その通知を受けるまでに譲渡人に対して生じた事由をもって譲受人に対抗することができる。







