手元に金融機関からの借用書(正式には金銭消費貸借契約書といいます)をご用意ください。
そこにかならず「期限の利益喪失」という条項がついているとおもいます。
この内容について、理解してみましょう。
だいたいこんな条文だとおもいます。
第×条(期限の利益喪失)
1 次の各号の事由が一つでも生じた場合には、債務者は債権者の通知催告等がなくても債権者に対するいっさいの債務について当然期限の利益を失い、直ちに債務を弁済することとする。
一 契約違反、履行遅滞等があったとき
二 担保の目的物について差押、または競売手続の開始があったとき
三 手形取引所交換停止処分をうけたとき
四 破産手続の開始があったとき
五 前各号のほか債務者の財政状態が著しく悪化したとき
通常、債務には約定弁済(つまり分割払いですね)が条件としてついていることが多いです。債権者は当然、弁済期限が到来している債務についてのみ請求ができることになります。債務者にとっては、期限がくるまで払わなくてすむから利益になっています。(これを期限の利益といいます)
たとえば、ある債務者が1回目の弁済が終わった直後に手形不渡りを出したとすると、2回目以降の債務は弁済期限が到来するまで請求できないことになります。これでは回収までに時間がかかりすぎて、ほとんど回収できないことになりますね。
そこで債務者がアブナイ状態になったら「期限の利益」を喪失させて、すぐに全額回収できる状態にしておく必要があります。これを契約書にもりこんだのが、「期限の利益喪失」というわけです。
なお、民法でも期限の利益喪失条項がありますが、条件があまりに少なすぎます。やはり契約書でキチンとうたっておくべきでしょう。
民法137条(期限の利益喪失)
次に掲げる場合には、債務者は、期限の利益を主張することができない。
一 債務者が破産手続開始の決定を受けたとき。
二 債務者が担保を滅失させ、損傷させ、又は減少させたとき。
三 債務者が担保を供する義務を負う場合において、これを供しないとき。
どのような条件で期限の利益が喪失するかについては、債務者の事情に応じて修正しておいたほうが実用的だとおもわれます。







